●狭心症と糖尿病性腎症

母には30年ほど前から狭心症があり、
救急車のお世話になることも二度や三度では収まらない。
かつて大阪市の警察病院の名医と言われている医師のところまで
(東京からも通ってくる患者がいるくらいだった)
何度も通っていたが
まだ心臓カテーテルが発達していないころで
心臓の下部1/3くらいは良く見えずに確認できなかった。
それでも何ヶ所かは血管が詰まり気味になっていると知らされた。
阪南市に引越しをしてきてから
泉佐野市の現在通院している病院では
そのころには心臓のすべてが心臓カテーテルで見えるようになっていた。
やはり狭心症には間違いなく
原因のひとつに心因性のものがあると言うことも分かった。
この心因性というのが、
これからの母の病状に
いろいろと問題を起こしてくるのであった。
さて現在はこの狭心症は既往症ではあるが
いくらかは落ち着いているのでその点は少しは安心しているが
もっと厄介な病気が悪化してきていた。
もともと母は糖尿病を患っていた。
しかしそれほど重いものではなかったし
度々の入院で食事制限をされていて
糖尿病そのものは深刻なことにはなっていなかった。
しかし糖尿病の影響は体のあちこちに影響を及ぼしていた。
ひとつは眼への影響で、
現在は白内障と緑内障を患っている。
もうひとつは糖尿性腎症に発展したことで、
一昨年、入院中に急に意識不明になり
その後すぐに意識は回復したものの
回復後一週間くらい、記憶が飛んでしまっていたのだ。
回復後、人工透析を行っていたのだが
一週間くらいして、それまでの事をまったく忘れてしまっていることに気づいた。
私や妻がそれまで母と会って話していたことも
まったく覚えていなくて
自分がなぜ透析を受けているのかも分からなかった。
それは一時的なこととして、
問題は人工透析のことであった。
母の血管は非常にもろくて
長期間の人工透析には耐えられないため、
なんとか人工透析をしなくても良いようにと
これから厳しい食事療法をすることにした。
母はいまだに糖尿病と糖尿性腎症の違いが良く分からず
自分では食事のコントロールができない。
糖尿病の時にはカロリーが制限されていたため
砂糖の代わりに人口甘味料を使い
空腹時には寒天ゼリーなどの低カロリー製品などを食べていたが、
糖尿性腎症では
インスリンを使用しているため
一定のカロリーを確保しないと
今度は低血糖症を引き起こし
生命の危険にも晒されることになる。
しかしいまだに寒天食品を買ってくるし
糖尿病用の人口甘味料を買ってくる。
そして甘いものを避けるようにしている。
長年の糖尿病生活によって
考え方の切り替えができないのであろう。
しかしそれを放って置いては、
低血糖症で倒れてしまい危険である。
母は足が不自由なため
調理などは危なくてさせられない。
しかも糖尿性腎症は
カロリー(当時は1200kcal)、タンパク制限、塩分制限、カリウム制限、ビタミンk制限に加えて
ワファリンを服用しているため、特定食品制限も必須であった。
80歳の母にはこれを計算して調理をするなど
到底無理な注文である。
そこで私がこれからずっと毎日母の食事を計算しながら作ることになった。
その結果、食事制限の枠が緩められ
いまでは割と母の好きなものも多く食べさせてあげれるようになった。
しかしそのように好転するまでは大変であった。
インスリンを打っている以上
一定のカロリーをとらないと
低血糖症を起こすので
何とか食べるように言うと
急に泣き出したり、
おいしくも無い低タンパクご飯も
何とか食べれるように工夫して
そのときには、これだったらちゃんと食べれると言っていたのが、
後日には、あんなもの見るのもぞっとすると言って
まったく受け付けなくなってしまったり、
年齢相応のことはあるとは言うものの、
食事の好き嫌いも激しく、
かといって人工透析だけは避けなければならないし、
このころの私は外出もままならず
仕事もかなり制限してきた。
食事に関する介護は
自力で食べることができない場合のみ介護扱いで、
調理は介護には当たらないとされているが(いつから?)
実際は、じゃあ誰が食事を作るの?
と言うことになる。
私の時間を返せ!って、誰に言えばいいんでしょう。
時間が介護の程度を測る単位なんじゃないですか?

0 件のコメント: